誰にも言えない、誰も聞いてくれない
誰にも言えないことは、
誰かに言いたくなるのに、
誰かにジャッジされるのが怖くて、
結局誰にも言えないで終わる。
誰にも相談できないし、
自分で考えをぐるぐる回して、
最後に同じところに戻ってくる。
なぜ誰にも相談できないのかというと、社会的にタブーだから。
ある社会規範が支配的である時には、
僕のいうことを誰も信じてはくれないし、
誰も真面目に受け取ってはくれないし、
もしかしたら笑われるだけで終わるかもしれないし、
他の誰かに吹聴されるかもしれない。
だから誰にも言わない。
「他にも同じ思いをしているかもしれないのだから、
大きなムーブメントのきっかけになるかもしれないのだから、
声を上げてみようよ。」
僕が傷を負うことという代償は誰が補償する。
見えない差別、見えない犠牲、見えない被害。
可視化されないと動かない社会を恨む。
支配的な社会規範を恨む。
誰にも言えないことと、社会への恨みと怒りを抱えたまま、
何も癒えないまま、傷ついたまま、新たな傷を恐れて、
真面目な顔をして、平気な顔をして、死にたいと思いながら生きている。