ルーペと鳥瞰図

日記と作り話のようなもの。

わがままな人

20代前半に精神的に参っていた私から、年齢とともに楽観的になったのはとってもよかった。生きやすい。あの頃、「若いんだから」とよく言われてすごく腹が立っていたのを思いだす。生きている今は人生の中で一番歳をとっているんだから、年上のしかも定年間近の立場の安定している教授に慰められたって、全然分からなかった。ただ、30代半ばを過ぎて、楽になっ他のは本当で、あの頃は若かった。色々傷つきやすくて、全てを全力で受け止めようとして、全然できなかった。なぜ、食べるの拒否して、そして食べることしかしなかったのか、そのあげく誰とも会えなくなったのかは全然分からない。でも、治った。そこには、天使のようなその当時の彼がいた。結局、元気になると、私からお別れを告げた。渡仏をして大体10年経つけれど、最近は泣けない自分に苦しい時もある。何かをやり遂げたくて、何もできずに日々重ねているだけで、全然成長していない。人生一回なんだから、やりたいことやりなさい。こう応援してくれる母は、10年前私の一番の悩みの種だったりした。全力で愛情を注ごうとする彼女に答えられずに、重たいコートを脱ぐように、脱皮するように、母の生活圏から逃げ出した。先日、母が、子は自分とは違う他人なんだよね、とこぼしていて、あぁやっとこういう会話ができるようになったかと。それを伝えようとして、ずっと逃げていた気もしないでもない。色々楽になったようで、ドーンと構えられている自分に嫌気がさしたりする。色々全力で受け止めたい。人はわがままだ。